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■予算の格差より情報の格差の方が問題

 本書は2年前の春学期に紹介した必読書ですが、今日でも参考となる点が多いと思うので、再度紹介します。

 著者は東京大学医科学研究所を退職後、昭和大学を経て、岐阜大学の学長を務められた方です。なぜ、この本をお勧めするかというと著者が以下の2つの状況を知っているためです。

・旧帝国大学と地方の中規模国立大学の状況
・国立大学の法人化前と法人化後の国立大学の状況

 著者は、本書の中で「個人的な思いと同時に、客観的な数字も重要視した。国立大学協会で発言したことでもあるが、現場を見ないで冷酷に数字のみで判断する財務当局と戦うためには、大変だ大変だといくら騒いでも、何の効果もない。」(5頁)と述べており、大学が直面している現実とそれにどう対処するべきかを冷静に捉えているといえます。この点が一大学人による奮闘記にとどまらないところであるといえます。

 大学職員に関連するところとして、国立大学事務局に関する問題について第8章でふれています。その中で文部科学省から送られてくる移動官職について、「問題は、できる人も問題のある人も、文科省から一方的に派遣されてくることであった。」(245頁)と述べています。

 また、旧帝大系の大学とそれ以外の大学の間にある問題として、「旧帝大系7大学の特別扱いは、予算面だけではなく、情報にも及んでいる。国大協会議の枠外として行われている旧帝大系7大学の学長会議、事務局を対象とした会議には、文科省が出席し情報を提供している。」(275頁)と述べており、予算の格差より情報格差が問題であるとしています。この情報格差が問題であり、旧帝大系の大学とそれ以外の大学が同じ状況で競争しているわけではないことを認識することが大学人にとって必要であるといえます。そのことを気づかせてくれる点で本書は国立大学以外の大学関係者にとっても必読書であるといえます。

(課題提出者:諏佐 賢司)

第5回大学人サミットながさきカレッジ2011が11月12日(土)~11月13日(日)に開催されます!Facebookページも開設されています。

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